認知症/物忘れ
認知症とは、後天的な脳の器質的障害により、いったん正常に発達した知能が低下し、社会生活に支障をきたすようになった状態のことです。
簡単に言うと、老化で予想されるより知能が低下している
以前は「痴呆」と呼ばれていました。
認知症の症状は、中核症状と周辺症状(BPSD)の大きく二つに分かれます。
中核症状は、物忘れや見当識障害、判断力低下といったもので、程度の差はあれすべての方に見られ、病気の進行とともに進行します。
周辺症状(BPSD)というのは、人によっては認めたり認めなかったり様々で、妄想、幻覚、徘徊、抑うつ、暴言暴力、徘徊などがあります。
周辺症状は、周囲の環境や性格・素質、体調などにより出現するもので、病気の重症度(進行)とはそれほど比例しません。
アルツハイマー病と認知症という言葉がしばしば混同されていますが、認知症の原因にはいろいろな病気があり、その原因と一つがアルツハイマー病です。
以下に示すように認知障害をきたす病気がそのほかにもたくさんあり、また人によっては複数の病気が合併していることもあります。
一般的に認知症は根本的には治らない病気とされていますが、中には根本治療が可能な病気もあります。
またそうでなくても症状を緩和したり進行を遅らせる方法はあります。
認知症あるいは認知症様症状をきたす主な病気
○変性疾患
・アルツハイマー病
・前頭側頭葉変性症
・進行性核上性麻痺
・大脳皮質基底核変性症
・嗜銀顆粒性認知症
○脳腫瘍
○正常圧水頭症
○頭部外傷
・慢性硬膜下血腫
○神経感染症・炎症性疾患
・脳炎(後遺症を含む)
・HIV感染症(エイズ)
・進行麻痺(神経梅毒)
○代謝性、欠乏性、中毒性
・臓器不全(肝不全、腎不全など)
・甲状腺機能低下症
・一酸化炭素中毒
・低酸素脳症
・ビタミンB1、B12欠乏、葉酸欠乏
・薬物・金属・アルコール 中毒