第3回梅田脳梗塞懇話会(2014.8.22)
脳塞栓症、特にその予防のための抗凝固薬についての研究会でした。その一部をご紹介いたします。
まず脳塞栓症とは脳梗塞の一種で、高齢化により脳梗塞の中でも増多の一途をたどっています
脳梗塞は脳を栄養する動脈が詰まるために、脳組織が酸素、やその他の栄養不足のために壊死やそれに近い状態になることを言いますが、
その中でも、上流から血栓などが流れてきて脳の血管が詰まることで起こる脳梗塞が脳塞栓症です。
流れてくる原因として最も多いのは心臓にできる血栓で、それによる脳塞栓症を心原性脳塞栓症といいます。
心臓にできる血栓は大きいこともしばしばで、そうすると大きな血管を閉塞させることで重篤になることもしばしばです。
心原性脳塞栓症になった著名人としては、小渕恵三元総理、長嶋茂雄終身名誉監督、オシム元日本代表監督がいらっしゃいます。
心臓に血栓ができる原因としては不整脈、その中でも心房細動が原因となることが多いです。
脳塞栓症の予防には、血が固まりにくくなる薬(抗凝固薬)を使うのですが、これまではワーファリンという薬のみが有効とされてきました。
しかし最近になり新規の抗凝固薬が数種類使えるようになり、副作用が半減するとされています。
ワーファリンは、食事の影響も受けやすく、また予防効果の判定のために血液検査を頻回にする必要がある点からもなるべく新規の抗凝固薬を使用する方が望ましいとされています。