臨床研究について
【はじめに】
当院では患者さんに最良の医療を提供できるよう日々努力しております。しかし、医学が発展した現在でも安全で確実な診断、治療法が確立されていない病気も多数あります。そこで、当院では、医学・薬学臨床研究も行っております。
【自由意志による同意・同意撤回について】
臨床研究に協力されるかどうかは、患者様の自由です。ご自分の考えに基づいてご判断下さい。ご承諾いただいた場合に発生する患者さんへの直接の利益・不利益はありません。また、ご承諾いただけなかった場合にも、それによって診療上の不利益を被ることは全くありません。また、一旦同意されても今後いつでも撤回することができます。同意の撤回を希望される場合は、申し出頂ければ、診療に必要とする以外の情報・試料は速やかに廃棄します。ただし、既に公表されたものや統計データとして使われた情報は廃棄できません。また、研究によって得られた情報や、その公表過程で生じた知的財産権は、当院と研究者の帰属となり、患者さんには供与されません。
【個人情報の保護】
当院においては、病気に関する情報は適切な管理のもとに厳重に保管し、許可されたものだけがこれらを取り扱うことができるようになっています。また、診療、研究、教育以外の目的で使用されることはありません。すべての情報は匿名化して取り扱われ、法令等の趣旨に則って個人情報が保護されます。
【現在進行中の研究】
<研究名称>
3.
《研究課題名》 パーキンソン病患者における他のドパミンアゴニストからハルロピ®テープへの切り替え時に発生する有害事象のリスク因子を検討する過去起点型コホート研究
《共同研究の代表機関名・研究代表者》
関西医科大学附属病院・脳神経内科 硏究医員 峠 理絵
《研究の目的》貼付剤であるハルロピ®テープ(主成分:ロピニロール)は、薬剤の血中濃度を一定に保ち、パーキンソン病進行期に出現するジスキネジアや薬効低下に伴って出現するウエアリングオフといった運動合併症を軽減することが期待されています。一方,他のドパミンアゴニストから同剤に変更した際、耐えがたいジスキネジアや幻覚などの有害事象が発生し、同剤の減量や変更を必要とする患者様がおられます。有害事象の発生頻度とそのリスク因子を見つけ、患者様が有害事象を発生することなくスムーズな治療を継続できるようにするために、本研究が行われます。
《研究期間》研究許可日~2022年9月30日
《研究の方法》
- 対象となる患者さん
パーキンソン病の患者さんで、2019年12月17日から2022年6月末日の間に,既存の換算表を用いて他のドパミンアゴニストからハルロピ®テープに切り替えた方を対象とします。
- 研究に用いる情報の種類
- 年齢、性別、身長、体重、罹病期間、ホーエン・ヤール重症度分類*(I~V、症状の変動がある場合は症状が悪い時の重症度)、合併症(便秘、ウェアリング・オフ*、ジスキネジア*、幻覚,認知症)の有無
- 切り替え前の抗パーキンソン病治療薬の内容
- ハルロピ®テープへの切り替えに要した回数
- ハルロピ®テープ切り替え時と、切り替え後3か月時点の貼付量
- 切り替え後3か月以内に減量・中止あるいは増量したか*ホーエン・ヤール重症度分類: I~Vの5段階に分けられており,Iが最も軽症で、Vが最も重症です。*ジスキネジア: 体や手足が勝手にくねくねしてしまう不随意運動で、レボドパ製剤の内服後に起こることが多いです。
- *ウェアリング・オフ: レボドパ製剤(メネシットやマドパー)の内服後、2~3時間は利き目があっても、その後薬の効きが低下し症状が悪くなって、治療前の状態に悪くなることです。
《外部への情報の提供》
データセンターへのデータの提供は、電子的配信(Eメール等)で行われ、特定の関係者以外がアクセスできないようにデータにパスワードを設定した状態で行います。対応表は、各機関の研究責任者が保管・管理します。
《研究組織》
[研究代表者]
関西医科大学附属病院 (氏名)峠 理絵
[研究分担者]
関西医科大学附属病院 (氏名)竹之内 徳博
[共同研究機関とその責任者]
いずみ脳神経内科 (氏名)和手 麗香
脳神経内科はつたクリニック (氏名)初田 裕幸
ツカザキ病院 (氏名)朝山 真哉
田辺脳神経外科病院 (氏名)隠岐 光彬
石切生喜病院 (氏名)峠 理絵
《この研究に関する情報の提供について》
この研究に関して、研究計画書や研究に関する資料をお知りになりたい場合は、他の患者さんの個人情報や研究全体に支障となる事項以外はお知らせすることができます。
《この研究での検体・診療情報等の取扱い》
お預かりした診療情報等には匿名化処理を行い、患者さんの氏名や住所などが特定できないように安全管理措置を講じたうえで取扱っています。
《本研究の資金源・利益相反について》
この研究は外部の企業等からの資金の提供は受けておらず、研究者が企業等から独立して計画して実施しているものです。したがって、研究結果および解析等に影響を及ぼすことは無く、患者さんの不利益につながることはありません。また、この研究の研究責任者および研究者は各研究機関の指針や規程等に基づき各研究機関の所定の委員会等に申請し、その審査と承認を得ています。
*上記の研究に利用することをご了解いただけない場合は以下にご連絡ください。
《問い合わせ先》
当院における研究責任者および研究内容の問い合わせ担当者
関西医科大学附属病院
大阪府枚方市新町2-5-1
電話 072-804-0101(代表) FAX 072-804-2547
研究責任者:脳神経内科 (職名)硏究医員(氏名)峠 理絵
【過去の臨床研究】
<研究名称>
1.アルツハイマー病およびパーキンソン病診断におけるimmunomagnetic reduction assayを用いた血中バイオマーカーの臨床的有用性に関する研究
<実施責任者>
森本悟
<研究期間>
2017年11月1日~2019年10月31日
<治験審査委員会>
2017年10月25日実施
2018年6月8日修正
2.新旧リバスチグミン貼布剤の比較
<実施責任者>
初田裕幸
<研究期間>
令和1年6月1日~令和3年5月31日
<実施内容(方法)・危険性(副作用)等>
診療録から抜粋するのみであり、危険性は全くない。
<倫理上問題になると考えられる事項>
ない。
【オプトアウト】
通常、臨床研究を実施する際には、文書もしくは口頭で説明・同意を行い実施します。臨床研究のうち、患者さまへの侵襲や介入もなく診療情報等を用いる研究等については、国が定めた指針に基づき、対象となる患者さまのお一人ずつから直接同意を得る必要はありませんが、研究の目的を含めて、研究の実施情報を公開し、さらに拒否の機会を保証することが必要とされております。このような手法を「オプトアウト」と言います。オプトアウトを用いた臨床研究は下記のとおりです。なお、研究への協力を希望されない場合は、下記文書内に記載されている各研究の担当者までお知らせ下さい。
<研究名称>
3.血漿Abによるアルツハイマー病バイオマーカーの臨床的有用性に関する研究
<実施責任者>
初田裕幸
※ 現在、当院では上記の同志社大学 神経変性疾患研究センターの研究3に協力しています。研究1にご協力いただいた患者さんの血液検体を上記研究の解析にも使用させていただきます。解析にあたっては、個人を特定できないよう加工した上で提供しますので、患者さんのプライバシーは完全に保護されます。 本研究に自分の血液検体の使用を拒否される方は、実施責任者までお申し出くださいますようお願い致します